圧巻


張遼 「遼來遼來」
樂進 「はぁ?」
于禁 「あほくさ」
張郃 「あのぉ、いきなり無茶苦茶なんですが」
徐晃 「気にしてはいけない」
樂進 「だいたい遼來遼來ってなんだよ、昔の台湾ホラーアクションコメディか」
張遼 「城で留守番だったからって拗ねるなよ」
于禁 「あれより霊幻のほうが好きだなあ」
張郃 「私はドラゴンキョンシーが良いですな。あのオジサンキョンシーが良い味を出してます」
張遼 「お前等いったい何の話をしているのだ」
樂進 「中年以上でないとわからないだろうな」
徐晃 「気にしてはいけない」
于禁 「それはそうと今回なんで顔なしなんだ」
張郃 「管理人によると、面倒臭い。だそうです。文遠殿の顔はいくらでもあるが他を探すのが…」
樂進 「ケッ、合肥の鬼神様は待遇が良いですなあ」
于禁 「そんなことより、ここはどこで今は何時なんだ?」
張郃 「あの世です。だから時間はありません」
張遼 「だから五将軍が勢揃いしているわけだ」
張郃 「でないと全員が一同に会するなんて無理ですからね」
于禁 「で、武勇伝を披露しあうわけだな」
張郃 「そういうことです。まずは文遠殿ですかね。合肥での活躍は有名ですからな」
張遼 「まあ、圧巻というやつだ」
樂進 「フン、俺が行ってたら孫権を斬ってたわ。クソッ、殿の命令さえなければ」
于禁 「それより圧巻ってどういう意味だ」
樂進 「そんなことも知らんのか。悪い男のことだ」
張遼 「それは悪漢」
張郃 「きゅ、急に、寒気が」
張遼 「それは悪寒だ」
徐晃 「気にしてはいけない」



隋の時代。
官吏登用を名族の子弟から科挙と呼ばれる試験に切り替えた。
そして、その答案は優れた物ほど上に積み上げられ、他の答案を押さえつけている(圧している)。
答案は巻物、巻を圧する故にこれを圧巻という。



張遼 「こういうことから最も優れたものの意だ」
張郃 「なるほど、まさに五将軍筆頭である文遠殿のことですね」
于禁 「ふざけるな。殿に韓信に譬えられた俺のほうが上に決まってるだろ」
張郃 「それは私も言われましたよ」
張遼 「それにお前が言われたのは古の名将であって韓信ではない」
樂進 「手前等外様が小賢しいわ!俺が一番に決まってるだろう」
于禁 「五月蝿い、ドチビ」
樂進 「なんだと、やるか?コラ!」
張遼 「お前等やめろ」
于禁 「あん、もとは言えばてめえが筆頭にいるからだろ」
樂進 「そうだ、呂布の下にいたくせに威張ってんじゃねえぞ」
張遼 「大人しく聞いてれば調子に乗りやがって、表に出ろ」
樂進 「この際はっきり俺が一番だって教えてやるよ」
于禁 「望むところだ」
張郃 「や、やめてください。公明殿、貴方もとめてください」
徐晃 「気にしてはいけない」
李典 「五月蝿いぞ、お前等。静かにしろ」
張郃 「曼成殿、彼等をとめてくだされ」
李典 「あ、張遼、従父上の仇〜〜」
張遼 「うお、李典。合肥で協力した仲ではないか」
李典 「じゃかあしい。あれは一時だけのことだ」
樂進 「やれ、やっちまえ」
李典 「うるせえ、樂進。俺はお前の部下じゃないんだよ!」
張郃 「ああ、ますます、混沌としてきた」
徐晃 「気にしてはいけない」
于禁 「チ、眼中にないってかよ、俺はー!」
張郃 「ああ、皆が血みどろに」
徐晃 「気にしてはいけない」
張郃 「お気楽ですね」
徐晃 「気にしてはいけない」
張郃 「最初から一貫してそれしか言わないんですね」
徐晃 「気にしてはいけない」
張郃 「最後までそれですか」
徐晃 「気にしてはいけない」