快刀乱麻を断つ
「呂布だ」
「陳宮です」
呂布 「頭でかっ!」
陳宮 「画像が無かったんだからしかたないでしょ」
呂布 「いや、だったら画像を取り込んで…」
陳宮 「めんどくさい」
呂布 「…なんか立場逆じゃね?」
陳宮 「そんなこと気にしてる場合ではありません。5日後には曹操がやってきます。」
呂布 「だから?」
陳宮 「はやく籠城か決戦か決断してください」
呂布 「それが、妻がなあ」
陳宮 「奥様と命とどっちが大切なんですか?」
呂布 「お前は結婚2年目夫婦の奥さんか」
陳宮 「あたしと仕事とどっちが大事なのよ!!ってヤツですか」
呂布 「それそれ、どっちが大事って比較の対象がおかしいよな。別次元のものは選べないって」
陳宮 「まあねえ、奥さんに決まってるんだけど、仕事しないと養え…ってそんなこと言ってる場合じゃないんですって」
呂布 「でもぉ、やっぱりぃ、どうしたらいいかぁ」
陳宮 「その、女子高生みたいな喋りやめてください。快刀乱麻を断つようにスパッと決断できませんか」
呂布 「おお、スムースな繋ぎ」
陳宮 「余計なことは言わんでください」
呂布 「で、その怪盗ルパンとかいうのはなんだ?」
陳宮 「快刀乱麻です」
五胡十六国時代、東魏という国に高歓という人がいて、彼には優秀な子供達がいた。
高歓は息子達の器量を試すために滅茶苦茶に絡まった糸の塊を子供達に持たせてそれを元に戻すように言った。
すると次男の高洋は剣を抜き放つや糸の塊を真っ二つに斬って言った。
「秩序を乱すものはただちに切り捨てるべきです」と。
高歓はこれを良しとした。
陳宮 「アレクサンダーの伝説に『ゴルディオスの結び目』という似た話があります」
呂布 「時代背景無視してないかい?」
陳宮 「ここは時代背景無視でよろしい」
呂布 「じゃあ曹操は来ないってことで」
陳宮 「そういうわけにはまいりません」
呂布 「え〜、なんで、どうして、時代背景無視って言ったじゃん」
陳宮 「うっせえなあ、とにかく曹操は来るの。でも時代背景は無視。よろしいですね」
呂布 「納得いかんのだが」
陳宮 (無視して)「ともかく紛糾した事柄を明快に処理することを『快刀乱麻を断つ』というのです」
呂布 「わかった…ことにしておこう」
陳宮 「このままじゃなぶり殺しにあいますよ」
呂布 「怖いんだね、死ぬのが。だったら…戦わなければ良いんだよ」
陳宮 「こ、降服する気ですか?」
呂布 「いや、言ってみただけ」
陳宮 「ホッとしました。ならば、どうするのか早いとこ決めてください」
呂布 「分かった、スパッと決めてやろう」
陳宮 「おお、それでいかように?」
呂布 「今日は寝る!」
陳宮 「え?」
呂布去っていく
陳宮 「ちょ、ちょっと、殿、殿ぉ、殿ぉおおおおお!!」
陳宮の叫びはむなしく響くのであった。