陳襄(ちん じょう)
字・述古
福州候官の人
慶暦二年の進士



陳襄が枢密直学士、建州浦城県の知事だった時、盗難事件があった。
容疑者数人を捕縛したが真犯人がわからなかった。
陳襄は次のように言った。
「あの廟には鐘があるが、あれには霊力があって盗人か否かをを見分ける。人をやって役所の奥に運び入れに祭ってある。容疑者達を連れて行き、鐘の前で事実を話し撫でれば、盗人でなければ音は鳴らず、盗人であれば音が鳴る」
言い終わると同僚等を引き連れ鐘を篤く祀り、祀り終わると帷で囲んだ。
その後、密かに人をやって墨を塗らせ、それからしばらくしてから容疑者達を連れてきて一人一人に手を帷の中に入れさせ鐘を撫でさせた。
そして、容疑者達の手を調べてみると一人だけ墨がついていなかった。
そいつを訊問すると泥棒をしたことを認めた。
鐘が鳴ることを恐れあえて撫でなかったのだ。
これは昔の方法で出典は小説である。