王巌叟（おう がんそう）
慶暦三年（1043）〜元祐八年（1093）
字・彦霖
大名清平の人。
韓�gに見込まれその門下に入る。



京師に盗人が集まる所があってそれを大房といった。
多くは離れたとこにあり、それぞれ数十人、数百人を収容していた。
しかもどこにあるのか良くわからなかった。
王巌叟は密かに一斉検挙を行いその場所を撤去破壊し罪状にあわせて処罰したので、ついに盗人は居場所がなくり、民は戸を開けたまま寝ることが出来た。
供備庫使の曹讀はある物産を万緡で取引を行った。
相手は約束を守らず半年経っても半分しか払ってくれない。
曹讀がいくら掛け合ってもどうにもならない。
ある日、戸を開け外で銭の音がして約束の金額を支払ってきた。
曹讀が訝しんで理由を問うと、「王公が今日知事に就任した」と答えた。
王巌叟が開封を治めるのに何も無い小さな郡のように精神や智恵を使わなかったが、老獪姦悪な吏員達は、勝手に畏服して欺くようなことはしなかった。



王巌叟は御前講義に侍して上奏して言った。
「陛下は退朝すればいかようにお過ごしでしょうか」
「文字を看ている（読書をしている）」
「陛下が読書を楽しみとなさっておられるので天下の幸福は甚だしゅうございます。たいてい聖賢の学というものはすぐに出来るものではなく、積み重ねが肝要でございます。積み重ねは要するに専念と勤勉です。ほかの事をしりぞけてはじめて専念と言い、長いことして倦むことが無くなってはじめて勤勉と言います。この四字は学を積むことの要です。願わくば陛下は特にそのお心に留めおかれますように」
「わかったよ」と帝は言って退廷された。