李迪(り てき) 
開宝四年(971)〜慶暦七年(1047)
字・復古
謚・文定
濮州の人
景徳二年の状元


真宗が危篤となった夜のこと。
李迪は祈祷を行い宮中につめていた。
(皇太子の)仁宗はまだ幼く、八大王の趙元儼が威名高かった。
(趙元儼は)病気伺いと称し禁中に留まって何日も動かなかった。
執政達はわずらわしいと思うもどうすることも出来なかった。
たまたま翰林司が金の盥に湯冷ましを入れて「王が用いられるのです」と言う。
李迪は机の上の筆を取ってそれをかき混ぜた。
水は真っ黒になってしまった。
そのまま持って行かせると、王は大いに驚いた。
毒が入っていると思い、馬に飛び乗り立ち去った。
李迪のやり方というのはおおよそこういう具合であった。