蔡斉(さい せい) 
端拱元年(988)〜宝元二年(1039)
字・子思
謚・文忠
莱州の人
大中祥符八年の状元



蔡斉は酒が大好きで、酒量もずば抜けていた。
科挙に合格し、済州の通判(副知事)であった。
毎日美酒を飲み、たいてい酔いつぶれた。
この時蔡斉の母は高齢で、蔡斉の酒が心配であった。
ある日、山東の賈存道先生が済州を通った。
蔡斉は彼を客として滞在してもらった。
賈存道先生は蔡斉の賢明さを愛し、酒で学問を廃絶し体を壊すことを慮り、詩を作って蔡斉に見せた。
聖君恩重龍頭選
慈母年高鶴髪垂
君寵母恩倶未報
酒如成病悔何追
蔡斉は悟り、立ち上がって礼を述べた。
これより客がこなければ酒を飲むことはなくなり、死ぬまで酩酊するほど飲む事はなかった。